米ヤフーは保有する中国アリババ・グループの株式売却益を株主に還元するとしていたが、変更される可能性がでてきた。ウォールストリート・ジャーナルによると、これは新任のメリッサ・メイヤーCEOが同社の戦略を練り直しているためと見られる。
ヤフーは検索とメール・サービス利用の低下をどう反転させるかが課題となっている。メイヤー氏は、ユーザーの立場に立って、より良いウェブ・サービスを作り出すことが重要と述べている。エンジニア出身のメイヤー氏の「プロダクト」と「ユーザー」重視の姿勢は前任者との違いを示すものである。
ヤフーの年間売上高50億ドルの大半を占めるオンライン広告もグーグルや他社にシェアを奪われている。一方、ヤフーのメディア関連事業、ヤフー・スポーツ、OMG!、ヤフー・ファイナンスは伸びている。メイヤー氏は、グーグルなどが支配するマーケットで、競争力をつけるためにアド・テクノロジーに投資する方向を探っているようだ。
また、メイヤー氏はグーグルのプロダクト中心のカルチャーやマネジメント慣行もヤフーに持ち込んだ。シリコンバレーの他社に倣って、ヤフーのカフェテリアの食事も無料で提供することを明らかにした。毎週金曜日に「FYIミーティング」を実施し質問を受けたりする場とする。有能なプログラマーやプロダクト・マネージャーを擁する会社を買収することも検討しているという。