中国富豪長子の平均年齢は35.7歳も世代交代進まず

 今年、中国富豪の間では“世代交代”が大きな話題になっている。最新のデーターでは、富豪上位500人の資産合計は約3兆元(約36兆円)、これは2011年中国GDP全体の6.6%を占める額だ。

 このうち半分以上は50歳以上で、その子供の平均年齢は35.72歳。財産や経営権のバトンタッチは避けては通れない問題となっている。中国・城市晩報が伝えた。

 昨年12月、中山大学や浙江大学が行った調査によると、中国経済全体の7割〜8割が民間企業になっていて、うち9割以上が家族経営だった。つまり、中国GDPの半分が家族企業によるものだ。

 こうした家族企業の経営権は、子供が引き継ぐ事が自然とされている。ところが、経営者の子供のたった18%しか主体的に引き継ごうとしていないのが現状だという。残りの2代目は、親に不満があるとか、伝統的な産業に興味が持てないとか、海外生活が長く中国に馴染まないなどの理由で、躊躇している。

 豊収日企業の鄧孟午(とう もうご)さんは自分の夢を捨てて、親の仕事を継いだ一人だ。鄧さんは、教育やメディアに携わる仕事をしたいと考えていたが、大学を卒業する一年前、母親から相談の電話を受けた。

 鄧さんの母親は地元でレストランを経営していた。母親と話した鄧さんは、自分は一人っ子で、他に誰も母親を助ける人はいないと、家業を継ぐ決心をしたのだという。始めは、商売が軌道に乗ったら、また自分の好きな道に進めば良いと思っていたが、気がつけば、それから10年がたっていた。今年、鄧さんは、EMBAに通い、少し充電するつもりだ。

 中国・交通大学の余明陽(よ めいよう)教授は、家族企業の継承方法は沢山あるとした上で、「それぞれ別の道を歩むというのも一つの選択肢」と提案する。

 親の道を強制するのではなく、その子供の意思を尊重することで、結果として事業全体に新しい発展が期待できるということなのだろうか。

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