写真で届ける世界遺産(ポルトガルその7、詩人バイロンが「この世のエデン」と讃えた町シントラ)

 シントラはポルトガル初代国王アフォンソ一世が、12世紀にイスラム教徒から奪回した町。以後、夏の離宮が置かれ、緑の山中に貴族や金持ちが移り住みました。

 シントラまではリスボンのロシオ駅から列車で40分ですが、シントラの駅からバスにも乗るので、全ての乗車がフリーになる12.25ユーロのリスボンカードを買うのがお得です。シントラ駅から15分毎に出るバスに乗ると、最初が「ムーアの城跡」です。



 7~8世紀にムーア人によって築かれた城ですが、現在も残っているのは城壁だけ。城壁の塔に登るとシントラの街が一望できますが、登り道はかなり険しいので、覚悟して登って下さい。


 ムーアの城跡から、次のペーナ宮殿はバスで一駅ですが、歩いても15分程です。イスラム、ゴシック、ルネッサンス、マヌエルの各様式を寄せ集めた結果、このような外観となりました。まるで建築様式の百貨店みたいな宮殿です。


 バスの停留所は下のビジターセンターにありますが、宮殿は高いところにあるので、さらに小さなバスに乗換えて宮殿の入口まで乗って行きます。


 フェルナンド二世がドイツから建築家を呼び寄せて造らせた宮殿は、まるで「おとぎの城」でした。


 内部には女王の部屋、サロン、礼拝堂、中庭などがあり、19世紀のポルトガルの繁栄を今に伝える装飾品や家具が展示されています。


 再びバスで移動して、14世紀にジョアン一世によって建てられた王宮に到着しました。


 ここには絢爛豪華な室内装飾が多くあります。写真は天井に描かれた27羽の白鳥が、それぞれ違ったポーズをとる「白鳥の間」です。


 そして狩猟の光景を描いたアズレージョで囲まれた「紋章の間」。


 他にも「アラブの間」「中国の間」や、広い台所もあり、見どころ満載の宮殿でした。

 シントラの世界遺産を一通り廻って、リスボンに戻る方法もありましたが、ここからはユーラシア大陸最西端のロカ岬が近いので、バスで行ってみることにしました。



 ポルトガルの詩人カモンイスが詠んだ、詩の一節がこの石碑に刻まれています。
(Onde a terra acaba e o mar comeca)「ここに地果て 海始まる」。


 ユーラシアの西の果ては、とにかく風が強いです。景色はいいのですが、風がきつくてブラブラと散歩することもできず、帰りのバスを待つ時間は、ずっとCAFEで暖まってました。


 ロカ岬は世界遺産ではありませんが、シントラ経由のロカ岬というのはリスボンからのエクスカーションとしてお薦めです。ちなみにシントラは1995年に世界遺産に指定されました。

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