「アイドルになるには」乃木坂46・生駒里奈さん

15歳で訪れた「自分を変えるチャンス」


 2次審査の説明にはメイクをするように但し書きがあったために、ファンデーションだけして臨んだ。「そしたら、ポポポポポポンッて進んで、名前を呼ばれて、間違いでしょって」と言うほど呆気なく、2、3次(最終)も合格した。

 父親もまさか実の娘が合格するとは考えていなかったそうで、始める前には両親から「どうする、やめるの?」と質問してきたそうだ。だが、くすぶっていた思いが生駒さんの背中を押した。

 「自然とやりたいなという思いがあって、引っ込み思案な自分を変えたいなぁと。このままここ(秋田)で過ごしていても、変わらないんだなぁって。じゃあ、これはチャンスなんじゃないのかなと思って」

 初対面の人とは話すことさえできなかったという。自分を変える大きなチャンスに巡り合うことは人生で何度あるか? しかも誰もが経験できない飛びきり大きなチャンスに、15歳だった生駒さんは乗ろうと考えた。「どうなるのるかわからないんですけど」と子ども心にも不安はよぎったが、今となっては「全然変わりましたね」と当時の決断を振り返る。

 デビューしてからはよく泣いた。テレビのクイズ番組、歌番組の本番中によく泣いた。多忙で様々な仕事を同時並行し、求められる役割をこなさなくてはならない。戸惑いの連続に、芸能界のツラさを初めて知った。

 「芸能人て、すんごい、たいへんなんだなって。テレビでは楽しくしているから、楽しいんだろうなぁ、と思っていたら、楽しいだけじゃなく、すごい色々悩んで、苦しんで、でも楽しくてうれしくて、その繰り返しなんだと思いましたね」

 今年5月、デビューして最大のニュースが飛び込んできた。

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