15世紀に始まった大航海時代の先陣を切ったのはポルトガルでした。ヴァスコ・ダ・ガマのインド航路の開拓によりポルトガルはヨーロッパ最大の貿易国に発展し、マヌエル1世はエンリケ航海王子とヴァスコ・ダ・ガマの偉業をたたえて、ジェロニモス修道院とベレンの塔の建設を命じました。
カイス・ド・ソドレ駅から市電15番に乗りベレンの塔にやってきました。テージョ川の船の出入りを監視する目的で建てられたこの要塞は、16世紀に完成しましたが、司馬遼太郎氏はこの美しい姿を「テージョ川の公女」と呼んだそうです。
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ジェロニモス修道院はベレンの塔から歩ける距離にありますが、閉館時間が迫っていたので、やはり市電15番に乗りました。手前が16世紀に建造された東棟、奥が19世紀に付け加えられた西棟です。
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レース細工のように繊細な彫刻で飾られた東棟の南門から入場して、7ユーロを払い内部を見学します。
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礼拝堂は広く、豊かな装飾を特徴とするマヌエル様式で金色に飾られています。これ程きらびやか、かつ美しい礼拝堂は世界でも数少ないでしょう。
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聖堂内部のステンドグラスと、その周囲の壁の彫刻も見事で、この500年のポルトガルの歴史を感じさせてくれます。
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この修道院の見どころは55メートル四方の2階建の回廊で、彫刻装飾が一面に施されており、マヌエル様式の最高傑作といわれています。閉館近かったのですが、写真を撮ってる女性が、この回廊に静かに溶け込んでいました。
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ジェロニモス修道院から歩いて行ける「発見のモニュメント」です。1960年の建造で、世界遺産ではありませんが、ポルトガルが海外ニュースで紹介される時には、このモニュメントがよく登場します。下で少女が写真を撮ってますが、モニュメントの高さは52メートルもあります。
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あたりはすっかり暗くなり、ホテルに引き上げました。帰りも15番の市電です。
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このベレン地区は大西洋の河口から僅か12キロのテージョ川沿いにありますが、大航海時代の繁栄と栄光を今に伝える富の象徴のような地区でした。
ちなみにジェロニモス修道院とベレンの塔は1983年に世界遺産に指定されました。