今週の経済誌では多くの非常事態が宣言された。まずはシャープ。『週刊ダイヤモンド』は非常事態と銘打って、この会社の現状を分析している。しかも、奥田社長のインタビューを特集とは別に。これは、最後まで綱引きがあり、渋っていたシャープを説得し、もう入稿が始まってから、急遽他の記事を飛ばして入れたものだと想像される。奥田社長の話は建前に終始していたが、これが今週の第1位。
週刊ダイヤモンド … シャープ非常事態
週刊東洋経済 … スマホ
日経ビジネス … 食料非常事態宣言
週刊エコノミスト … 宗教と経済
◆第1位 週刊ダイヤモンド シャープは異常事態? 非常事態?
タイトル通り、中身は大変で「『資金繰りの逼迫』、『本業の巨額赤字』、『“救世主(鴻海)”との不協和音』という“三重苦”により」経営危機が表面化しているのだ。株価は危険水域に入り、ことは逼迫している。 シャープの経営危機に焦点を当てたのは『週刊ダイヤモンド』だけではない。『週刊東洋経済』も「崖っ縁! シャープ」というタイトルで雑誌冒頭に緊急特集を組んだ。
ダイヤモンドは、特集ページ以外に、やはり雑誌冒頭にシャープ社長・奥田隆司氏への緊急特別インタビューを掲載。奥田氏は「鴻海グループとの戦略的提携で必ず経営再建をやりきる」とアピールする。何とかプラスの情報を投下したいシャープと、ダイヤモンド編集部の思惑が一致した渾身の緊急インタビューだろう。
第2位 週刊東洋経済 ステイに白ロム、VoIPも。これ何のこと?
通信料を賢い選択と技で少しでも安くする……そんな実用的な特集だ。メインは「“知らなきゃソンする”賢いスマホの使い方 9秘策」。たとえば「秘策1 ドコモユーザーの7割は『ドコモステイ』が賢明」「秘策3 キャリアを乗り換えた方が安上がり」「秘策5 いま機種変したい! 『2年縛り』が耐えられない!! 白ロムという選択肢も」「秘策7 通話が無料に『VoIP』を完全活用」など。
第3位 日経ビジネス 不安定な日本の「食」
「爆食」と言われる中国の食糧需要の急拡大、さらには夏の世界の穀倉地帯を襲った大干ばつで、米国などは小麦、大豆、トウモロコシが壊滅的な被害を受けた。9月以降、穀類の調達不調、価格高騰が日本でも表面化するだろう。これは一過性のものではない。この危機が、海外からの穀物輸入に依存し、不作為を繰り返してきた日本の根幹を揺るがそうとしている。
第4位 週刊エコノミスト 宗教の視点で考える経済
「宗教と経済」。世界の動きを読み解くには宗教の知識が不可欠だ。政治、社会はもちろん
のこと、経済活動も例外ではない。欧州危機がより深刻なのは、ギリシャ、スペイン、イタリア、ポルトガルといった、キリスト教圏のなかの非プロテスタント国だ。一方でリーマンショックを起こしたのはプロテスタント国アメリカ。イスラム金融機関はリーマンショックでも影響が最小限ですんだ。