寄宿舎のバックアップ体制は?
―低年齢の寄宿舎は、生活面が不安だという親御さんも多いと思われますが?
「そうですね。でも母親代わりになって、やさしくこまやかにお世話してくれる人が寄宿舎には住んでいます。毎日の服の整理や髪の手入れ、お風呂など日常全般に渡って手助けしてくれます。最近は働くお母さんも増え、日本で子供と同じ屋根の下に住んでいても目が行き届くとは限りません。低年齢向けボーディングスクールの寄宿舎は、生活面はきっちり管理してくれるので、その点ではむしろ安心です。」
―ホームシックにはなりませんか?
「ホームシックは何歳で出しても不可避なものですが、低年齢だと適応力があり乗り越えやすいのか子供はすぐに慣れるようです。それに引き換え、親はすごく寂しいですよ。親が寂しいことと教育費の負担が大きいこと、これが低年齢留学のデメリットです。でも、ボーディングスクールの親業は一度やればハマります(笑)。子供が自分とは全く違う充実した学校生活を送っている、それも、ワクワク楽しそうに! お金はかかりますが、親にとってはまるで別の人生を1から生き直しているかのような喜びをもたらしてくれるメリットがあり、エキサイティングな経験です。子供たちも明るくのびやかに成長してくれましたし。」
―寄宿舎生活で身についたことは何でしょうか?
「規則正しい生活とサバイバル力です。しっかりセルフコントロールができる子供になって帰ってきました。毎日当たり前のように勉強するし、本を読む習慣がついています。家で親が先生の役目を兼ねずに済むので、親子関係も良好になります。また勉強だけでなく、ボーディングスクールではお稽古事も学校内で完結します。バイオリン、乗馬、スキーなど、様々な習い事をさせてもらえます。自分の家から通わせるとしたら手間が大変ですし、時間や費用もかかります。生活全てを任せているからこそ、ここまでしっかり面倒をみてくれるのです。」
5歳から始める「スイスのボーディングスクール留学」(後編)
若草まや(わかくさ・まや)
低年齢留学コラムニスト/医師。東京女子医大卒。結婚7年目にして生まれた我が子のために最良の教育を探し求めた結果、世界の名門ボーディングスクールに魅せられ、2001年、2人の娘をスイスに留学させる。7月15日より株式会社アルクのホームページ、スペースアルクにて新連載『若草まやの国際子育てリターンズ』を開始予定。