存亡危機のシャープ、悪行の「バチが当たる」

代わりに電子辞書の取材はいかが?

 「液晶パネル価格が急速に下落している状況を取材したいと何度も申し込んだが、なしのつぶて。『かわりに電子辞書の取材はどうですか?』と返されたときには笑ってしまった」(全国紙記者)という。

 昨年秋、パナソニックが兵庫・尼崎工場の一部休止を発表したときには、シャープの町田勝彦会長(現相談役)は、副会頭を務めている大阪商工会議所で、「うちは、常にコスト削減に努めているので大丈夫」と胸を張り、堂々とミスリードした。

 シャープの30代社員も、「あのときすでに大変な状況だったのに、危機意識を社員に伝えず問題を先送りした」と憤る。

 また、当時から、片山幹雄社長(現会長)と町田氏との仲の悪さも知られている。最近、住まいをシャープ本社近くから京都に移した町田氏は、記者の夜回りに対し、巨額赤字は自分の責任ではないという態度だという。「堺工場の巨額投資を決めたのは片山社長、といわんばかり」(テレビ局関係者)らしい。

 こうした中、4月に就任した奥田隆司社長は、火中の栗を拾った人である。

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