福島第一事故直後、線量計「APD」足りず

 東京電力の福島第一原発事故が発生した当時、線量計である「APD」が津波で流されたために数が十分に足らずに、着用しないで働いた作業員が多数に上ったことが4日わかった。

 東電によると、APDが昨年3月11日の東日本大震災の津波で流されて、約320台しか残らなかったという。また、3月15日には柏崎刈羽原発から約500台のAPDが支援物資として届いたが、充電器の数が足らずに、すぐには全部使い切れなかったという。

 数が不足したために、同じ作業グループの中で代表者に着用させ、サンプルとして計測していたという。東電はこの日の定例会見で「津波のために数が足りず、代表者(の数値を)を基に3月いっぱいは対応したが、代表者による測定で問題はなかった」として、事実を認めた。

 ただし、同じ作業をしていても、線量は場所によってかなり違うところもあるが、東電は「差が小さい場所もある」とした。


昨年3月15日当時の福島第一原発(東電撮影)

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