今週の週刊経済誌ランキング

 今週の1位は「週刊東洋経済」。ここは時に、新鮮な切り口を見せてくれる上に、タイトルに創造性がある。今週号で言えば「貧食」という言葉を使用。 日本も世界でも食がひどいことになってきている現状をレポートしている。

週刊東洋経済 … 貧食の時代
週刊ダイヤモンド … 堕ちた金融
日経ビジネス … クスリの未来
週刊エコノミスト … 今 読む本

 ◆1位 週刊東洋経済 そうか「食」も壊れてきているのか

 「食」をテーマに特集を組んだ。「買い物が困難になり、新型栄養失調に陥る高齢者。不健康な食生活の社会人、そして子どもも――。壊れゆく、わが国の『食』の現実」を「『貧食』の時代」と題してレポートしている。

 「先進国の大人は飽食の末、栄養を摂りすぎているから『少食』化で健康を取り戻そう」という医師らの著作は多いし、最近も南雲吉則医師の著作がベストセラーとなった。そんな飽食の時代に同時並行で進む「貧食」の実態が明らかになる。

 ◆2位 週刊ダイヤモンド 強欲な金融業界だから、当然「強欲は善」

 国内大手証券による増資インサイダー事件、英銀バークレイズのLIBOR不正操作。同時期に起こった金融界を揺るがす大事件と金融業界にはびこるモラルの無さを、「堕ちた金融」として特集している。

 公平性を歪めた行為だが、何より恐ろしいのは、ムラの外にいるとまったくわからないが、ムラの中では誰もが知る常識だったということ。かつて、日本では実業と強く結びついて産業を支えてきた。証券マンはいわゆる相場師、銀行マンは、「活かされるところ生きるところにカネをまわす」ことを生き甲斐にする人も多かったはずだ。もはやノスタルジーか。

 ◆3位 日経ビジネス 隣の芝生(製薬業界)は青く見える?

 編集長が変わってから特集の切り口が好調の日経ビジネスだが、今回の「クスリの未来」はタイトルだけでは何が言いたいのかよく分からなかった。

 有望株とされる医薬品に何か問題でも? しかし、妙に「編集長の視点」を読むと納得。

 ◆4位 週刊エコノミスト 現代は「活字離れ」でなく「活字埋もれ」

 先週は「宗教と経済」。今週は「今読む本 経済と歴史を極める242冊」ときて、どこか文化的だ。

 「現代は歴史の大きな転換点。読書こそが知的武器になる」とある。良書をたくさん列挙しているのだが、では時間をどうやってねん出すればよいのだろうか。同時にそんな特集もしてほしくなる。

 ちなみに今は「活字離れ」の時代ではなく、「活字埋もれ」の時代だと指摘する。

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