夢の実現に向け、言い訳できない闘い
医師からの許可を取って6月1日から練習を再開した堀さん。仕事を終えた夜遅くに、新宿区内の道場「ヒデズキック!」で一心不乱に練習する姿があった。練習再開の初日にあたる、この時の体重は80キロ。次の試合のリミットは70キロ以下。2カ月で10キロも絞らなければならない。
「出る、と宣言しちゃったんで出なきゃいけません。途中、入院したりして、体を動かしていませんでしたが、まずは1カ月でちゃんと体を作ります」
2人組になって、グラウンドで寝技の練習。軽く20ラウンドはこなしただろうか。展開される高度な技の読みあいは、むしろ体力よりも頭脳勝負との印象さえ与える。額には玉のように光る汗が流れる。技術練習の後も、サーキットトレーニングなどを行い、時計はすでに次の日になろうかとしていた。
週4日のジムワークをこなして、堀さんの体重は現在70キロ台の前半まで落ちてきた。これで出場にメドが立ってきた。
THE OUTSIDERの70キロ以下のトーナメントは、8月9日の予選を経て、本戦は10月11日の一、二回戦、12月13日の準決勝、決勝へと進む。
「目標ですから」とだけ話した堀さん。当然、出るからには狙いはトーナメント優勝だ。更正施設立ち上げの夢のためにも、負けるわけにはいかない。(終わり)