シャープ100周年カウントダウン、皮肉な創業者の偉業

 経営危機で連日社名が報道されているシャープが、9月15日、創業100周年を迎える。折しも、大阪発祥の企業を紹介している大阪企業家ミュージアム(大阪市中央区、運営・大阪商工会議所)では、同社の特別展が始まった。創業者、早川徳次がいくつもの苦難を乗り越えて築いた歴史だけに、「100周年の年に経営危機に陥ったことが、つくづく悔やまれる」(シャープOB)という声が聞こえた。

皮肉にも今、早川徳次の偉業を紹介


 企業家ミュージアムは、大阪通に人気の博物館。大人300円、中・高・大学生100円、小学生以下は無料。常設会場に、大阪発祥企業の創業者や中興の祖たちがわかりやすく展示され、無料で貸し出される音声案内により、古い財界人たちの偉業がよくわかる。

 展示されている人物は、野村證券とりそな銀行の前身である野村銀行を興した野村徳七、大林組の大林芳五郎、武田薬品工業の武田長兵衛、クボタの久保田権四郎など。「天下の台所」と呼ばれ、日本経済を牽引してきたのが大阪だとわかるが、半面、展示をみて、現在の地盤沈下ぶりを嘆く財界関係者は少なくない。

 そして、大阪といえば家電3社。パナソニックの松下幸之助、三洋電機の井植歳男、そしてシャープの早川徳次について、常設会場にパネルがある。

 11日から始まったのは、特設展示コーナーでの「早川徳次 危機を乗り越え続けた企業家」。11月末まで。

 シャープは、ホームページ上にも、7月から、100年史サイト(http://www.sharp.co.jp/100th/)を公開しており、サイトをのぞいてからミュージアムに出かければ、早川徳次がより身近に感じられる。

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