お金には代えがたい「縁」
週に一回程度のバイトで単価6万円とすると月24万円、年収にして300万円程度が大学病院からの給料にプラスされる事となる。
大学病院の教授になっても給料は、他の学部の教授と同程度の1000万円程度プラスアルファ程度。民間病院の部長職から東大病院の教授に就任したら減給となったということもよく聞く話ではある。
また、将来は運が良ければ? 大学病院でのポスト(教授~講師)をもらって生活していく。これが一番の成功。そうでない場合は関連病院での勤務で、部長などになれればまずまず成功と言えるのではないだろうか。
以上、見てきた通り医師の給料はどれだけアルバイトをするか、あるいはどれだけ医師の少ない地域で勤務するか (東京より地方の方が概して高給取り) によってほぼ決まっているため、東大医学部に入る待遇面でのメリットはほぼないと言っても過言ではないと思う。むしろ医師の平均収入を下回る可能性さえあり得る。
それでは東大医学部に入学する事の価値はどのあたりに見出す事が出来るのであろうか。
安田講堂
つまり東大医学部という肩書には何の価値もないが、そこに集まってくる人間に価値がある。東京大学には医療界のみならず、日本社会のリーダーとして活躍したいという意志を持つ学生が多いように感じる。
そのような友人と切磋琢磨して過ごす事が出来る時間は何ものにも変え難い。金銭面やポストではなく、我こそは 将来の日本のリーダーたらん と欲するものにとっては同志が集まりやすい東大医学部を目指す価値を見出せるのではないか。