金融危機の主犯はヘッジファンドではない(米研究)

 米NPO研究機関「ランド研究所」はこのたび、ヘッジファンドのシステミックリスクに関するレポートを発表し、その中で2007年以降の金融危機を引き起こしたのは、ヘッジファンドが主要な要因ではない、との結論を導いた。

 レポートによると、住宅ローン市場において、ハイレバレッジの空売りを仕掛けたり、デリバティブ取引などによって、それが誘発されたことは間違いない。しかし、主な原因は金融機関や格付け会社にあるとしている。

 「投資家の資金を動かす革新的な投資戦略であり、金融システムに有益な役割を果たしている」とした上で、投資家保護についてのいくつかの懸念も列挙している。

 ただし、それら懸念も、 ドッド・フランク法が、運用会社、プライムブローカーなどの金融機関らに有効に働いており、投資家らの保護につながっているとしている。

 また「今後の政策立案者や規制当局は、ヘッジファンドのレバレッジや流動性、ポートフォリオの情報収集を行い、金融の安定を図ることができるように、適正なリスクを取っているか管理するべき」ともしており、「国境を超えた取引についても、追跡監視をするべきだ」と警告している。

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