村民のいじめで秋田県の無医村「上小阿仁村」がまた医師を募集

 村民からのいじめが原因で5年間で3人の医師が辞任したという、秋田県・上小阿仁(かみこあに)村の国保診療所で、常勤医師の募集が続いている。

 同村はHP上に7月24日から「地域医療を支えていただく医師を心よりお待ちしております」としている。

 内科の常勤医1人で、条件は75歳以下、待遇は診療所長職(地方公務員)、給与は村規定で(年収2000万円以内)、赴任手当を村規定により支給。外来者数は1日平均 約64人。

 昨年6月に北海道北見市から赴任した医師も今年5月に辞任したという。過去には村長が村の広報誌で「一部の不心得者のために人格も腕も一流の医師を失うのは不本意。医師不足は深刻で、無医村になる公算は限りなく大きい」とも語ってもいる。

 前任者たちは、月休1~2日ほどで働き、年間の休診日は20日ほどだったという。盆明け、正月三が日開けを休診日にすると、心ない声を浴びせられるなどしたようだ。一部の村民は、医師は村長よりも給料が高いと思いこんだり、村から家を買ってもらっている、という思い込みもあったと言われている。

 もちろん感謝の声の方が多いとはいうものの、こうした事態は村役場の耳にも入り広報誌で次のような注意を出すほどだった。

 「有●先生には村民の健康維持のため、献身的にご尽力をいただき、大変ありがたいことであります。しかし、土・日・祝日は原則的に休日であり、医師にも同様に休日が必要であることから、村民の皆さまには、緊急かつ必要な場合以外は、連絡を遠慮するよう配慮していただきたいと考えております」

 そして、有●さんの前任者の松●医師は広報誌の2008年9月号に「村の診療所を守るために」としたコラムを執筆。「一度は書かなければならないと思っていたことを書いてみます」と決意表明をしたこともあった。

 診療所医師が不在の時のため医師派遣を行うために、北秋田市民病院とへき地診療所医師派遣に関する協定を締結している。

 ただし、赴任しても何年続くか、ということはもはや問題ではなく、もはやなり手を探すのが難しくなりそうだ。

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