伊富裕層がフェラーリをどんどん手放している

 今年に入りイタリアの警察がミラノ市内で、フェラーリなど高級車のいっせい取り締まりを行ない税務調査の協力をするという珍事が起きたが、中古高級車の海外流出件数が今年の5カ月間ですでに昨年の3倍にも上ることが明らかになった。

 自動車調査会社Unraeによると、昨年は1年間で4923台が流出したが、今年5カ月で1万3633台にも上ったという。この分でいくと、昨年の6~7倍くらいにはなりそうな勢いである。まさに、中古フェラーリがイタリアから消える、という現象が近づいてくる。

 昨年の年末から高級リゾート地などでは当局が調査を行うなど、税源確保に向けて血眼になっている様子がうかがえた。また、今年2月には警察が、ミラノ市内でフェラーリのいっせい取り締まりを行い、国税庁のための「税務調査名簿」を取るなどという光景も見られた。

 ブルームバーグによると、国外の流出した中古フェラーリは、昨年142台から今年の5カ月間で424台に大幅増加したという。ポルシェ、マセラッティも同様に3倍の規模に上るという。

 ちなみに、2009年にはブルガリア歳入庁が、ベントレーの全所有者に対して脱税の調査を行うという珍政策が行われたこともあった。

 もちろん、フェラーリなどはイタリア国外の市場規模の方が圧倒的に大きいものの、イタリア富裕層は自国をフェラーリを持ってはいけない国という認識に変わりつつあるようだ。

 このままいけば将来は、持てるけど持つべきではない国という選別がなされることになりそうだ。


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