北海道より大きく、九州より小さい島国に8つの世界遺産を擁するスリランカ。その歴史は紀元前にさかのぼるといわれていますが、ポルトガル・オランダ・英国の統治を経て独立。旧名を冠するセイロンティーを思い浮かべる人も多いかも。
世界遺産は、そそり立つ岩山の上に宮殿が築かれた古代都市シーギリヤ、14メートルもの涅槃像をはじめ数多くの仏像が残るダンブッラの岩窟寺院、そして得も言われず美しい夕陽と仏歯寺に感動した聖地キャンデイなどどれも素晴らしいものでした。そのほかにも野生の象との出会いや数多くのスパイスを使った朝・昼・夜と供されるスリランカ・カレー、心身ともに癒されるアーユルヴェーダなど、この小さな島国には様々な魅力が詰まっています。
建築好きな方には有名な、ジェフリー・バワというスリランカの建築家設計のホテルも心引かれました。岩山など大胆に取り込みながら、モダンで静溢な空間に身を置くと、自然との一体感を感じます。ダンブッラにある「ヘリタンス・カンダラマ」のようなリゾートを数多く設計しているので、ぜひ機会があれば滞在をおすすめします。
また多数派であるシンハラ人の敬虔な仏教信仰にも感動しました。毎月、満月の日には、お酒(これはホテルやレストランでも提供が控えられます)を飲まず、肉を食べるのも控えて、仏教寺院で過ごす人も多いのです。聖地キャンディでは、その前日から信仰深い人々が多数集まって、祈りを捧げて寺院で過ごします。
高価な家、車、電化製品を持つために、若いうちに他国へ出稼ぎに行ってお金を稼いでから戻ってきて商売を始めるという人も多いとのこと。しかし、何か人の根本にある優しさや豊かさを感じます。ガイドさんが言いました「若いうちに外国に行くと、お金を使ってそれなりに楽しいこともあるけれど、だんだんスリランカの足るを知るという暮らしのよさがわかってくる」と。
確かに自然に囲まれ、食も足り、信仰に支えられた暮らしは、心のチャンネルを安らかなものに切り替えてくれるようでした。
スリランカ航空が週4回就航している、成田‐コロンボの直行便だと約9時間で“光り輝く島”スリランカに到着することができます。(くわしい情報はスリランカ政府観光局のHPも参照のこと。travel-srilanka.jp/)