代理人の暗躍を許さない
全体の1位指名ならば720万ドル、2位ならば620万ドルというふうに推奨金額が、決められている。そして何よりもチームの総額が決められており、それを5%以上超えると、多額の罰金が課される上に、来年の1巡指名権まで失うという大きなペナルティが2つ課されることになる。
こんな労使協約が決められたのも、代理人の存在が大きい。ちなみにナショナルズの2人のルーキーは、松阪大輔投手の代理人でもあるスコット・ボラス氏が務めている。代理人の活動をこれ以上認めていれば、戦力の均衡化を図ることが目的のドラフトの本来の意味がなくなってしまう。
大谷投手は上限ならば、720万ドル(約5億7000万円)が想定される。もっとも、下位を削った分を上乗せすれば、それ以上の金額もありうるが、ペナルティの大きさを考えるとこの範囲内に落ち着きそうだ。
日本ならば1億円プラス出来高5000万円が上限(一部の球団では、これ以上の金額が動いていたということが報道されたこともあったが)。それを超えることは確実視される。だが、社会に出た経験のない18歳の高卒ルーキーが、周りはすべて外国人という環境の中で頭角を現すことができるかどうか、契約金以外には決して恵まれた条件ではない。
もう一人ルーキーでメジャーを目指す可能性がある投手にも触れておきたい。