1年待ったら高校生に主役を奪われた
江川卓氏の入団会見
「右投手の場合は、毎年のようにいい選手が出てきます。菅野君も去年はナンバー1投手でしたが、やはりスケールの大きさでは藤浪、大谷に見劣りしますし、比べた場合にどちらが欲しいかというと、言うまでもありません」
もしも、昨年指名を受けた日本ハムに入団していれば、先発ローテーションの中心的存在として、リーグ優勝の原動力となったことは想像に難くない。表舞台から1年間遠ざかっている間に、自身を最も高く売る旬なタイミングを逃してしまうこともありうるのだ。つまり指名順位が下がったり、契約金が下がったりする可能性もある。
もちろん契約金は単なる「ブレークするまで食いつなぐためのお金」(元プロ野球選手)という、言わば生命保険。プロ野球とは、お金のためではなく、野球選手を目指す者たちの夢の舞台であり、ドラフトはその通過点でしかないが、大切な入口として人生を左右する大きなドラマがある。