橋下市長国政進出で、どうなる3人の問題区長

 石原慎太郎・東京都知事が辞任を発表し国政復帰を宣言したことで、連携が取り沙汰されている「日本維新の会」代表を務める橋下徹・大阪市長についても、辞任して国政に打って出るのか――との声が、地元大阪で一気に広がった。気が気でないのは、橋下改革の目玉として8月に就任したばかりの公募区長たち。市長がいなくなれば後ろ盾を失い、区ごとに練り始めた独自改革は頓挫する可能性が高い。市長の動向から目が離せない。

国政進出の後、人材がいない


大阪市役所
 橋下市長の選択について、大阪では二つの見方が出ている。

 「東京都の場合、後を任せられる副知事(猪瀬直樹氏)が明確だった。大阪市の場合は市長が辞めたら後戻りしてしまうから、絶対に無理」(財界関係者)というものと、「日本を変えようという機運が盛り上がっているいまがチャンス。橋下市長は国政に出る」(大阪府職員)というもの。

 仮に橋下市長が辞任して大阪市長選が行われると、「前市長の平松邦夫氏が出馬する」(大阪市職員)とみられている。平松氏に勝てそうな“ポスト橋下”は見当たらない。これが、「橋下市長、国政進出」を否定する根拠となっている。

 一方で、「橋下市長が全面バックアップするといえば、出てもいいと考える有名人が複数いる。これまでに『出ない』といってきた人物でも、『お国の一大事』と考えて腹をくくる可能性はある」(市議会関係者)というのが、「国政進出」説の理由だ。

 見通しが不透明な中、不安を抱えているのが大阪市の公募区長たち。24区のうち18人が外部からの登用だった。相当な権限を与えられた区長たちはさまざまな独自改革を打ち出し、近くまとまる来年度予算では、完全に区長が自由にできる数千万円の予算枠もある。

 ある市役所職員は次のように話す。

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