信頼したが最後…
ここまで読んで、「自分には関係ない」と思った方のほうが多いのではないだろうか。
実は、富裕層である経営者などもよく狙われるそうだ。もっとも危ないのが、経営状態が悪化したとき。資金繰りに困っているときなどに、優しい顔をして近づいてくるのだ。
「あなたの会社を買い取りますよ、出資に協力しますよ……なんていうウマそうな話を持ってくることが多いですね。親切そうな顔をして近づいてきて、信頼したら最後、全部持っていかれちゃいます。例えば、リースのコピー機やパソコンのような金目になりそうなものは、全部売り飛ばされて、現金化してしまうんです。100万以上になることも、よくあるそうですよ。とくにハイエースなどはどんなに古くても、東南アジアなどに流せば売れますからね。あとトラクターのような特殊車両も高く売れます」
こういう詐欺師はたいてい債権者から雇われていて、様々な物を売ってできた金は債権者の元へ……となるそうだ。
「もっと悪質な場合は、赤の他人が社長に成り代わって会社ごと乗っ取ってしまうケースなどもあります。会社が傾いているときに、ウマい話を持ってこられたときはまず疑ってかかったほうがいいかもしれないですね」と村田氏。景気が悪い時の「ウマい話」ほど怖い物はない、と心得たほうが良さそうである。