東京・吉原のソープランドで従業員に売春行為をさせたとして、サン・ワールドホールディングスの経営者が警視庁に逮捕された。わずか3年足らずで101億円を売り上げた吉原の寵児はあっさりと警察の壁の前に崩れ去った。経営難が多いこの業界だが、相次ぐ逮捕・摘発に吉原からソープが消えると危惧する声も聞こえてくる。
コストダウンと人材確保で勝ち組に
東京・吉原で従業員に売春行為をさせたとして、警視庁はソープランド8店舗を経営する「サン・ワールドホールディングス」の経営者ら21人を、売春防止法違反の疑い(場所提供)で逮捕。経営者らは、全店舗合わせて600人以上の女性を働かせ、2009年春以降で、101億円を売り上げていたという。
親会社をホールディングス化して、子会社である実店舗8店の稼ぎを集めて管理するのだという。「この業界は、今やいかに低コスト化できるかが勝負です。中には女性が備品を一部自腹で賄っているところもあると聞きます」と事情通。一括管理でコストダウン、若い従業員の確保という企業努力もあり、低価格を実現し、行列ができるほどの繁盛店になっていたという。
江戸時代の吉原の光景(ウィキペディアより)
しかし、そんな経営努力が予期せぬ「スキ」となったようだ。子会社の店舗から経営権がHD会社に引き継がれたが、店舗は無許可運営ということで内偵捜査を受けていたようだ。100億円という売上の資金の流れがどうなっていたのかは、これからの警察の捜査による解明を待つことになるが、興味深いところではある。
最大の勝ち組の灯が消えた今、吉原の灯が消えるということになるのか。江戸幕府公認の遊郭として誕生し、以来、日本を代表するソープランド街も事件は大きな衝撃を与えている。