中国・中山大学が資産総額50億元(約600億円)以上の企業経営者を対象にしたEMBA(エグゼクティブMBA)を開設すると発表し、話題を集めている。各国の名門MBAコースでもエグゼクティブコースを設けているものの、入学資格の一つに資産総額を置くことは異例中の異例だ。
すでに応募者が現る
中山大学の別のEMBAコースの資料
今回、超富豪コースを開設する理由について徐氏は、「EMBAの需要が高まり、規模が大きくなるにつれ様々なクラスの経営者が共に学ぶようになったが、今後は同じ階層の人が集まる方が、効率的な学習が進められる」と話す。こうした超富豪コースの経営者たちは、系統的な管理の知識だけでなく、世界的視野を持った経営戦略を学ぶ必要があるのだという。
中国国内では既に64カ所の大学でEMBAコースが開設されていて、平均学費は56.6万元(約700万円)。超富豪コースの学費はまだ決まっていないが、通常のコースよりは高くなる見込みだ。
ただ、中山大学は国立大学のため、ネット上では、富豪の為に税金を使うのはおかしいといった意見や、「貧乏人コース」も作るべきだといった意見も。また、既に50億元もの資産を築いた人たちが、今更金儲けについて何を学ぶのか? といった疑問の声が聞かれた。
中山大学は、孫文が1924年に高等師範学校などを合併して設立。26年から現在の大学名となった。25の学部を持ち、国家が予算の優先的な配分を行う重点大学にも定められている名門大。