オーストラリアが中国人富裕層向けビザを発行

 「もし500万豪ドル(約4億円)の余剰金があり、居留ビザを望んでいるのなら、オーストラリアは大きく門戸を開いています」

 今月24日から、オーストラリアは「重要投資者ビザ計画」に基づいたビザの申請が始まる。ここで要求される点は、500万豪ドルをオーストラリアの州や領地政府の債券や、企業などに投資すること、ただそれだけだ。

 オーストラリアの関係機関は、中国人の申請が特に多くなるだろうと、今後の申請に期待を寄せる。

 オーストラリアはこれまで多くの移民を受け入れてきたが、技術移民がその主体だった。だが、今年7月から技術系移民のハードルを上げて、投資移民を取り込む方針を掲げた。世界の金持ちを「資金集めの手段」としたのだ。ただ、経済のバブル化を考慮し、不動産や株式などへの直接投資は認めていない。

 こうした政府の動きに対して、オーストラリア人はあまり関心を示していないようだ。金融危機以来、ヨーロッパ諸国は資金集めのために、同じような方針を打ち出し、中にはオーストラリアより条件の低い国もあった。あるオーストラリア人は「移民した中国富豪は間もなく後悔したようだよ。巨額の資金があれば、どこにいたって良い生活ができる。何も住み慣れた故郷を捨ててまでしてオーストラリアに来なくても良いんだ」という。

 だが、中国人富豪の海外移民は確実に増加しており、オーストラリアも人気を集める国の一つ。母国に不安を抱える中国人富豪にとっては、絶好のチャンスに映っているかもしれない。

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