泥棒の仕事はわずか数分
「特に、秩序や規範の乱れは心の隙を生みますので、塀の落書きやゴミの散乱、放置自転車などは、その家庭や個人が秩序だっていないと見なします。得に決め手となるのは、ターゲットとなる家屋の庭木の手入れ状態が大きな要因となります」
さて、いざ、泥棒に入った後は、ほんの数分で出て行くことが多いということである。そのため、近隣からも気づかれにくく、発見されるのは「物を盗られた!」と気づいた後になる。
だが、整理整頓されていない汚い家の場合、泥棒に入られたことすら気づかないこともあるそうだ。
「あれ、そういえばプラチナのネックレスがないなあ」「こないだ、財布をなくしちゃって……」という出来事は、もしかしたら泥棒によるものかもしれない。
「泥棒に入られる人って、何度も被害に遭うことが多いんですよ。ズボラな人って、気をつけようとしないことも多いですからね」
確かに何度も財布や家の鍵をなくして困ったことになっているのに、行動を改めようとしない人もいる。
「なくしたと思っている財布ですが、盗られている可能性もありますよ。よく観察をしていると、食事の際にバッグを置いてトイレに立ったり、電車のなかでバッグの上部に財布を入れて居眠りしている女性を度々見かけます。海外などの場合、食事中に椅子の背もたれにバッグをかけておいて、ずっと席についていても財布を抜き盗らることがありますよ」
何にせよ、日本は安全という意識が根強いため、防犯意識が低いという。海外駐在経験のある方なら頷くかもしれない。