1億円フェラーリ事故と中国共産党「神7」人事

 中国共産党の首脳人事が決定したが、総書記・副主席・常務委員からなる上位7人「神7」の中に、令計劃氏の名前はなかった。そうなると、3月に1億円のフェラーリによる死亡事故で、運転者はやはり噂どおりに令氏の長男だった可能性が高いということになる。

 今年3月に北京で、フェラーリ458スパイダーが猛スピードで壁に突っ込み、運転していた男性(23)が死亡。同乗していた女性2人も重体を負った。3人は全裸に近い状態だった。

 この事故は言論統制が敷かれ、国内では「フェラーリ」が検索できなくなったり、死亡男性の名前を「賈」と発表したりするなど迷走していた。だが、これを暴いたのが香港紙サウス・チャイナ・モーニングポスト。

 運転者は令氏の長男で、令氏はこの夏にいったん表舞台から消えた。1976年に共産党入り。たたき上げとして、20代のころから、後の胡主席の部下としてつかえ、腹心として信頼されてきた。統一工作部長の要職に就き、常務委員入りは確実視されていた。

 今回の共産党首脳の権力争いで、胡派は敗れる形となったが、令氏が再浮上しなかった背景は、いまさらながら、あのフェラーリ事故が影響していることは間違いないだろう。


大破した事故車両のフェラーリ457スパイダー(ウエイボより)

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