関西を代表する、シャープ、パナソニック、関西電力の3社。それぞれの4~9月期の最終赤字額が、シャープ3875億円、パナソニック6852億円、関電1167億円―と巨額であることが注目を浴びた。通期については、関電は予想を出していないが、シャープの赤字額は4500億円、パナソニックの赤字は7650億円にも膨らむ見込みで、3社の株価下落と無配転落は、親密な付き合いが多い関西企業に大きな影響を及ぼしている。「売るに売れない関係」に対する恨み節も聞こえている。
「パナ―ダイキン」「大和ハウス―シャープ」など
ダイキン工業は、2013年3月期の連結最終利益が前期比47%減の220億円になりそうだと発表した。従来予想が29%増の530億円だったのに、一転の大幅な減益。その理由がパナと関電の株だ。4~9月期に、198億円もの投資有価証券評価損を特別損失として計上した。
パナとダイキンは包括提携し、株を持ち合う関係にある。会見でダイキンの井上礼之会長兼CEO(最高経営責任者)は、「(パナ株は1株)2000円くらいで購入した」と話している。9月末のパナ株は516円なので、4分の1近くに目減りした。
事業の関係を考えると、ダイキンがパナ株を売却することはできないため、井上会長は「パナソニックにはしっかりしてくれと言いたい」と不満顔だった。
大和ハウス工業も、4~9月期に約70億円の株式評価損を計上した。シャープと関電株の影響が大きいという。樋口武男会長は、シャープの町田勝彦相談役とともに大阪商工会議所の副会頭を務めている。住宅用太陽光発電パネルの主要な調達先がシャープであるなど、関係は浅くない。