今年はNYマンハッタンの不動産に熱い視線が注がれた年でもあった。住宅バブルのダメージからいち早く抜け出して、全米で最も住宅価格が高い場所になった。中国、中東をはじめ、海外からも資金も流入。富裕層にとって有利な税制とは言えない米国だが、先行きを見通すことが難しい時代だけに、世界で最も安定した不動産市場のマンハッタンにお金が流れているようだ。
「二十歳の女子大生」8800万ドルで購入
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(グーグルアースより)
様々な取引例がニュースを賑わす。たとえばロシア屈指の大富豪ドミトリー・リボロフレフ氏がペントハウスを8800万ドルで購入した。これはNYのマンション取引では過去最高額となった。二十歳の女子大生の娘名義だっため、離婚調停中の妻から求められている慰謝料の支払いをのがれるため、とも見られるが…。
また、エアロスミス、ガンズ&ローゼスなどを育てた音楽界の巨人デビッド・ゲフィン氏も、現在はNYを離れていたものの、突如今年5400万ドルで邸宅を購入した。
さらには、極めつけがセントラルパークの西側に位置する「157West57thSt」に現在建設している超高層マンション「One57」だ。カタール首相のサーニ氏が、1億ドルと、9000万ドルのペントハウスをはじめ、他にも家族も居住するために購入し、総額で2億5000万ドルになるという。
こうしてみるだけでも、こぞってマンハッタンの不動産購入に動いているかのようだ。それはなぜか。