警察から聴取も
スカイマークCAの交代要請に応じないために、元機長らはバスでスカイマークの事務所に向かっていた。話し合いはバスの車内で行われたのだが、西久保氏が乗り込んできて、そのまま運航することを指示してきたという。その際だった。
元機長は、実力行使の際に左腕を掴まれたというのだ。白石裁判長は「相当強い力で原告の腕をつかんだことが推認される」と認めている。医師による診断では「左上腕皮下血腫」「筋肉挫傷」と診断され、1週間の自宅安静が必要とされたのだ。直径5センチの黒いアザができたという。
ただ、西久保氏は尋問では「掴んでできるような傷ではなかったと思う」などと反論している。警察にも2度事情を聴取されたことも明らかになった上に、司法の場でも認定されてしまったことには違いなく、汚点をつけてしまった。
西久保氏は自分自身で現場に行くという行動的な経営者であり、「暴行」は自身が現場に行かなければ、到底起きることがなかったはずだ。「スカイマークはクレイジーな会社」と公言したこともある同社を、軌道に乗せた経営手腕では一定の評価を受けているだけに惜しまれるが、この事案も西久保氏らしさと言えばそれまでだが…。
この結果について、スカイマークは「当社の主張が認められなかったため、控訴することといたしました」とのコメントを発表している。