マイケルさんの死でも判明した、日本の年金のダメさ

 公務員年金のリスク運用先が何と、米歌手のマイケル・ジャクソンさん(享年50)の著作権だったとは、日本の年金を管理運用を行う年金積立金管理運用独立行政法人が聞けばまさに驚きだろう。

 マイケルさんの死によって、追悼の意をもって多くのファンたちがCD、DVDなどを買い求め、ダウンロード数も増えているが、これにより、著作権の一部を持っているオランダ年金機構であるABPに、大きな利益をもたらす可能性が出ている、とロイター通信が報じた。

 ABPは運用資産は18兆円の世界で3番目に大きな年金機構。その歴史は古く1922年からスタートしている。かつては日本と同じく国営だった。しかし現在は民営化となり、運用の近代化、効率化が急速に進んでいるという。モダンポートフォリオ理論に基づいた資産運用を実践しており、積極的に優秀な人材を世界中から集めることに躍起になっているのだという。

 その裏には、オランダのアムステルダムを中心に金融再編を行っており、投資環境を整備しようという背景もある。

 そして、ABPの第一の目的は、最高のパフォーマンスを上げることだという。もちろん、当たり前のことでしかないのだが…。ただ実際に、マイケルさんの著作権関連のリターンはロイター通信の取材にコメントしなかったものの、音楽著作権全体の昨年の年率リターンは8%だったという。

 皮肉なことに、マイケルさんの死が日本の年金機構よりも海外の年金機構の投資上手さを改めて浮き彫りにしてしまった。

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