病気の父の医療費を稼ぐため17歳の少女の決断

 中国・福建省アモイ市で、17歳の少女の行動が多くの人々の心をとらえている。少女の名前は涂馨予(Tu xin yu)さん。彼女は、本を売る事で、がんを患う父親の医療費を稼ごうと決意したのだ。

17歳少女が720万円を稼ぐ

 中国のメディアでもかなり話題となっているが、11月下旬、市内のブックセンターでサイン会が開かれると、彼女の著書「楚楚花開」は一時間もしないうちに700冊売れた。彼女は一つ一つの本に“感恩”“感謝”の4文字を真剣に書き続けた。


涂馨予さんの活動を伝える紙面
 海西晨報によると、涂馨予さんは小さい頃から文章を書く事が好きで、アモイ市最年少作家協会の会員の一人だ。既に中学生の時、1冊目の本を出版していて、「楚楚花開」は2冊目となる本だった。今年7月、出版社からこの原稿の審査が通ったという連絡をもらった同じ日、検査で警察官である父親が悪性リンパ腫であることが分かった。

 彼女は悲しみに耐えながら、インターネットでどのような治療が必要かを調べると、少なくとも60万元(約720万円)の費用がかかる事を知った。高校の教師をしている母親も高血圧と婦人科疾患で長い間薬を服用しており、夫婦の収入1.3万元(約16万円)でそれらすべてを賄うのはほぼ不可能のように思われた。

 だが、一つの方法を思いついた。

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