ノーベル財団が運用難でヘッジファンド積極起用へ

 ノーベル賞を運営するノーベル財団は、賞金の原資となる基金の運用で今後はヘッジファンド投資の割合を増やす方針であることが4日、ブルームバーグの報道でわかった。

 ラーク・ハイステン理事が同社のインタビューに答えたもので、「ノーベルは安全な投資をすべきであると言ってきた」とした上で、「これまでのデータを見るかぎり、ローリスクでより高いリターンを得ることができそうだ」と語っている。

 同財団は、受賞者への賞金を今年から減額。スポンサーなどを入れることができないなどの事情はあるが、フトコロの厳しさを物語っている。

 同財団によると、2011年4月で29億7300万スウェーデンクローネ(約368億円)の総資産があった。11年の年間運用リターンはマイナス2.6%だった。

 最近5年間のリターンは、4.7%(07年)、マイナス19.0%(08)、14.4%(09)、5.5%(10)、マイナス2.6%(11)で、不安定なパフォーマンスが続いている。

 現在は、カーライルなどのプライベートエクイティ会社、ヘッジファンド運用会社ではチューダー・インベストメント、DEショー、バイキング・キャピタルなどの著名会社を起用している。今後は他の運用会社の起用も増える可能性がある。

 ちなみに、日本には、ノーベル財団よりも資金力のある稲盛財団の「京都賞」があり、資金は600億円(賞金は5000万円)となっている。


ノーベル財団理事メンバー(同財団より)

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