プロ野球日本ハムファイターズは、大谷翔平選手(18)=花巻東=との交渉に使用した資料の一部を公開した。過去の例をまとめ、早期に渡米することが決して長くトップレベルで野球を続けられることと比例しないことを示している。プロ球団の内部資料の公開は異例。
「夢への道しるべ」と題した資料によると、トップ選手として、野茂英雄選手をはじめ10人を選び、その平均をすれば「早期渡米がより早くトップに到達すること&長く活躍できることとは今のところ結びついていない」だという。
黒田博樹、斎藤隆の両投手をはじめ、多くが30歳前後に移籍しており、それからでも長く活躍できていることがわかる。日ハムに在籍していた、ダルビッシュ有選手は「すでに自己が確立されている分、寿命が長いであろう」としており、例外扱いをしている。
また、同じアジア勢でも韓国人選手は早く活躍できる傾向にあるが、早熟傾向が見て取ることができる。日本人選手の良い特徴として、長く安定した活躍ができる点にも触れている。
さらには、競技をサッカーに広げて、サッカー選手のピークは23~28歳(6年間)としており、野球選手のピークは24~35歳(12年間)としている。
日本人選手で長谷部誠選手は「世界的には遅咲きでも、一度トップレベルに上がると、長く安定して活躍している」と定義。一方で、平山相太選手は「出場機会が保障されなかったのか? サッカー以外の面で克服できないものがなかったか?」としている。
一方で、日本球界を経ずに、渡米した選手のリストアップもしており、活躍した選手が少ないことがわかる。日本で実績を残してから渡米することが、メジャーのトップクラスとして活躍するということを説得する材料となっている。