突然10億円課税された会社員

毎月8万円ずつ返済中


 毎年のように数十万円のプラスを計上しているという競馬ファンは「中央競馬は最初から25%のテラ銭を取られているので、そもそも儲けることすら難しいです。この男性は相当な研究を重ねたことが想像できます。今まで課税されたという話は聞いたことがありませんし、これではファン離れにつながるだけではないでしょうか」と疑問の声をあげる。

 なぜ男性の売買が発覚したのかは定かではないが「馬券売り場の窓口を使っていれば、わからないでしょう。今回はインターネットのシステムを使って購入したから、証拠として残ったからではないでしょうか」(前出ファン)という。

 窓口ならばこれだけ大量に購入することは難しく、ネットを使ったからこそできたわけだが、それが証拠として残る。もちろん、その解釈は当局に委ねられるが、今回のような措置を取られれば、1億円以上の利益を上げるまでになった男性のここまでの努力は、無駄を通り越して、一生を台無しにしただけだ。

 男性はすでに、税金約5500万円を納税しているといい、その後も預金から生活に必要なお金を除いた約1300万円を納税し、給料から、毎月、当初は10万円、現在は8万円ずつ納税しているそうだ。

 中村弁護士は「税金というのは、『担税力』、つまり税金を支払う能力があるところにかかってくるものです。しかし、国税当局の取り扱いは、男性の胆税力を大きく超えて、実際に入っていないお金を所得として課税するもので、違法性が重大だと考えています」と指摘する。

 ちなみに年収1000万円以上を稼いでいたという元スロプロは「パチスロでそんな話は聞いたことがないし、競馬ってたいへんなんですね」と驚く。

 最初から胴元が25%を取り、プレーヤーが勝てば腹いせに税金を取ろうとする。これでは、さらなる競馬離れもおきかねない。個人の納税する力を超えた取り立てをするならば、それは危険というほかあるまい。

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