株主への決算説明書でも400万円以上節約か?
株主たちに送った中間決算説明書にも、ケチケチ作戦の徹底振りが表れている。多くの企業は、カラーの刷り物を封書に入れて送るが、シャープは今回、3つ折り両面印刷をはがきサイズにする「圧着ハガキ」で送った。まるで、カード会社からの「お知らせ」だった。
50代の株主は「受け取ったときには、ここまで苦しいのかと驚いた」という。だが、しばらく考え、評価する気持ちになった。「決算発表はすでに見ているから、株主通信なんてすぐ捨てる。15万人ほど株主がいるから、封書からハガキにしたことで送料の節約額は400万円を超えるはず。業績がいい会社も真似したらいい」とも。
この、「第119期第2四半期業績と配当(無配)のお詫び」と題した三つ折はがきには、奥田隆司社長の謝罪文が2ページにわたって記載され、文末は「2012年度下期の連結営業利益黒字化を実現し、業績と信頼回復に努めてまいります」と締めくくられている。
シャープはいま、銀行からの借入金で生き延びている状況であり、銀行団との融資の約束にも下期黒字化が不可欠であることが、文面からもうかがえる。会社を去った2960人のためにも、1円でも多くのキャッシュを残すケチケチ作戦が成功し、会社の建て直しが成功することを祈るばかりである。