今月発表された「中国国際移民報告」によると、億万富豪の約3割が既に海外に移住していて、さらに5割が移住を考え中ということが明らかになった。今後3年で少なくとも170億元(約2300億円)が海外流出すると試算されている。
報告書では、現在中国が第3次移民ブームを迎えていると述べている。それによると、1億元以上(約13億円)の資産を持つ富豪のうち、既に27%が移住をしていて、47%が移住を考え中だった。資産総額が1000万元(1億3000万円)以上の富豪では、60%近くが既に移住をしたか、移民に関する何かしらの決断をしたという結果が出た。
移民の主な目的は子供の教育と安全な投資環境と、より良い生活の質を求めるためだ。その中でも特に、子供の教育が投資移民を考える第一の要因となっており、8割以上を占めた。
報告書によると、2007年以来、アメリカは中国富豪の主な移住先で、昨年アメリカに移民した数のうち、およそ半数を中国人が占めた。また昨年、アメリカで永住権を取得した中国人は8万7000人に上る。来年も引き続きアメリカへの移民が最も多いと見られている。
こうした移民のうち、大部分を占めるのが投資移民だ。年齢は30歳から40歳で、起業家や熟練した技術や知識を持った人たち。以前から投資移民は、富と知識の流出になるとして、中国メディアなどで大きく取り上げられている。