【一線を超えたものは美しい!】
それは、暇な女の化粧遊び、と無下に構えず、日本の現代アートとして、一度ネイルを見てもらえないだろうか?
そもそも日本のネイルアートは諸外国のそれを一線超えているハイクオリティな技の賜物である。
日本のネイリストは衛生管理や道具の正しい使い方、作業速度はもとより、爪を削り成形するラインの優美さ、塗りの正確さ、構図、筆の線の繊細さの技を重要視される。
なぜ、ルーチンワークの作業部分より、アート寄りの工程部分が重要視されるのか? それは日本古来の伝統美術の影響が強いと考えられる。
削りだしは日本人形、塗りは漆、アートは伊万里焼や着物の絵付けに通じるものがある。時間やコストに縛られず、その道を極める匠の精神がそこに宿っているのだ。
何と言っても5本又は10本1セットで、1アートを完成させる点は、1画面に1テーマの絵画で育った文化圏の人間よりも、ロール状の紙に右から左へと物語が進んで行く絵巻物を作る日本人の思考及び嗜好性ととても馴染みが良いように思う。