ミネラルウォーター「国連の認定」は虚偽(消費者庁)

 消費者庁は、ミネラルウオーターの製造販売「VanaH」(山梨県)が、「国連認定証取得」などと虚偽表示をしたとして、景品表示法違反で表示の中止命令を出した。プロゴルフ、有名番組などのスポンサーとしても知られ、また、社長が上場企業の筆頭株主となっているなど、社会的影響が大きそうだ。

 消費者庁によると、同社は昨年10月から、飲料水を購入した会員にファクスで飲料水の資料を送付。そこで、「世界で初めての『国連認定証』を取得した」などと表示したが、実際にその事実はなかったという。国連は一企業の商品を推奨することはなく、注意を呼び掛けてもいた。

 同社は社長の石山久男氏が、ジャスダック上場のゲートウェイホールディングスから第三者割当増資を受けて、約47%の筆頭株主となった。

 ゲートウェイ社の調査によると、国連の評価委員から許可を受けた商品であると謳っている点について調査したところ、証明書を確認したという。

 ただ、今回の消費者庁の調査で、そのあたりがはっきりしたことになる。

 ゲートウェイによると、VanaHは財務基盤について不安があるというが、デットエクイティスワップの方式を採用するために、石山氏を割り当て先として選んだという。また、販売代理店からの預かり保証金が100億円程度あるため、返還期限はなく、早期に資金需要が発生する可能性は低いとしている。さらに、石山氏の銀行の口座残高は、1億1000万円以上の残高があり、問題ないという。

 また、未公開株式が、あたかも株式公開をして短期間で数億円の利益を得ることができる、などと謳っているとする噂についても調査したが、同社は否定。さらに、株式譲渡を約束したとも言われているが、この点も否定している。

 ゲートウェイは「連鎖販売取引を行っているという事業内容から、社会的道義的な問題については否定できず」としている。ただ、経済的な事情から石山氏に第三者割当増資を実施することにしたという。

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