それでもまだ役員報酬4100万円
「電力会社はいざとなったら値上げできる。倒産することがない。うらやましい限り」と、昨今の苦境にあえぐ電機業界関係者はいう。
関電は、値上げに向け年収削減などを発表した後、在阪メディアの幹部を招いた懇談会を開いた。「やるだけやった」「どんなものだ」と胸を張った八木誠社長に対し、あるメディア幹部がこんな皮肉を言った。関電会長の森詳介氏が関経連会長を務めていることを揶揄し、「大変な状況なのだから、(関電は)関経連会長職を返上したらよろしいのでは」と提言した。同席していた関電スタッフは「財界活動は地域のためのボランティアです」と不満を隠さなかったという。
財界トップと電力の社長は、要望を出したり、逆に要望を受け取ったりという関係になることがある。関電社長の八木氏が関経連会長の森氏に要望を伝えるというのは、たしかに「茶番劇」(電機関係者)である。
関電は、2013〜15年度は役員賞与の支給を見送る方針。実行されれば、12年度から4年連続で賞与ゼロ。賞与の見送りなどにより、社外役員を除く役員1人当たりの報酬・賞与総額の平均は08年度比13%減の約4100万円。これはめーいっぱいの努力だろうか。
一方、同様に値上げを申請している九州電力の場合、社外を除いた役員1人当たりの報酬・賞与の総額を08年度比で34%減の約3300万円。やはり関電はまだぬるいのかも。