ポルシェのせいで860億円損失、ヘッジファンドの訴え退ける

 ポルシェによるフォルクスワーゲン(VW)株取得にかかる取引で、ヘッジファンド運営会社4社が、ポルシェの不透明取引によって10億ドル以上(約860億円)の損害を被ったとして、損害賠償などを求めた訴訟の控訴審がこのたびNY連邦控訴裁判所で行われ、一審判決を支持してヘッジファンド側の訴えを退けた。

 NYタイムズよると、投資ファンド4社は、独高級スポーツカー会社ポルシェが自動車会社VWの株式取得に際して不透明な取引によって、10億ドル以上の損害を受けたとして、提訴していたが、一審判決では、この訴え自体を司法でなじまないものだとして、退けていた。今回の控訴審でも同様の決定となった。

 事の経緯は2008年の自動車2社による主導権争いに絡む株式取得にさかのぼる。まずは、ポルシェが、VW株を買い漁って発行済み株式の74%を取得した。この取得方法で約半分をオプションによって取得しており、その方法が事前に公開されていなかった。

 ヘッジファンド4社の中にはエリオット・アソシエイト、バイキング・グローバルなど著名ファンドも含まれていたというが、VW株の空売りを仕掛けていた。ただ、VWの株価が上昇し始め、その補てんにVW株を買い支えようとしたが、浮動株が少なく、それも効果を発揮せずに。結果として大きな損失を出すことになった。

 最終的にはポルシェはこの無理がたたって、VWの買収を断念し、逆にVWがポルシェAG株を取得することで決着している。


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