【きょうの名言】打たずに有名になった松井秀喜選手

 NYヤンキース、巨人などで活躍したプロ野球選手の松井秀喜選手(38)が27日(現地)、引退を正式発表した。名言は数多いが、あえて「打たずに有名になった」をベストな名言と位置付けてみたい。
 
 5打席連続敬遠。92年の高校野球選手権大会の2回戦で明徳義塾と対戦した松井選手の星稜。松井選手はまったく勝負をさせてもらえず、社会的な反響は高校野球史上でも最大のものとなった。

 後に自分のことを「打たずに有名になった」と語り、さらにはその時の投手との対面では「俺の価値を上げてくれた」とも語っていた。

 筆者が後に明徳の馬渕史郎監督に聞く機会があったが、その際には「高校野球に一人だけプロが混じっているようなものだから」と述べていた。

 ただ、巨人に入ってからも似たようなものだった。四球が100を超えたシーズンは10年間で5年もある。おかげで出塁率は7年連続で4割超えとなっている。すべてが勝負を避けたとは言わないが、勝負を避けたい打者ではある。

 特に渡米直前の2002年は敬遠が自己最多の17。出塁率は46.1%、強打者を測る指数の一つ
OPS(出塁率+長打率)は1.153とズバ抜けた数値となっていた。

 日本のプロ野球でプレーしても、「バリバリのメジャーリーガーが混じっているようなもの」という状態だと言ってもよいだろう。つまり、死に場所はメジャー以外になかったことになる。浪人状態ということを除けば、メジャーリーガーとして野球人生を全うできたことは幸せだっただろう。本当に打たずに凄さを感じさせる名選手だったのだろう。


松井秀喜選手

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