200万円振り込め詐欺の手口:竹内謙礼氏

 「会計天国」「お客の心が読めるメガネ」など多数の著書がある経営コンサルタント、竹内謙礼氏が、自身の家族が「振り込め詐欺」で200万円の被害に遭ったことをブログで公開し、「人から金を騙し取る仕掛けがよく研究されている」「やっている奴らはバカじゃない」として、引っかからない自信がある人でも、被害に遭い、そのショックの大きさは計り知れないことを述べ、警鐘を鳴らしている。

 振り込め詐欺とは全盛期が平成20年で、被害総額は約275億円。その後は警察の取り締まりがキツくなったり、市民の側も警戒するようになったためか、被害額は減少した。翌21年95億円、22年82億円と減少傾向にあった。

 ところが、23年に110億円と増加に転じて、さらには今年11月末時点で昨年を上回る約133億円となっている。これは、単純な手口に引っかかる人は減少したかもしれないが、巧妙な新たな手口が出てきていることを示すものでもある。
 
 竹内氏は「私の認識の甘かったところなんですが、オレオレ詐欺をやっている奴らは、バカじゃないっていうことです」と結論づけているが、竹内氏のブログからその手口を簡単に抜き出してみる。

 12月25日に、70歳になる母親が200万円の被害に遭ったという。しかも、過去に2回の振り込め詐欺電話を見破って被害に遭わなかった、ひじょうに賢明な人にも関わらずだ。ただ、竹内氏は「今思えば、最大のミスがここにあったと思います」という。

 25日午後3時。実家に1本の電話が入る。内容は、兄が電車の中にバッグを忘れた。取引先の携帯電話から電話している(番号非通知)。もしも、家にその連絡がかかってきたら、対応するように依頼してきた。

 10分後、今度は東京駅の拾得物担当と名乗る人物から母に電話が入る。内容はバッグが見つかったが、本人確認のため、名前と住所、勤務先を教えるように言われる。そして、取りに来るように言われる。

 10分後、兄を名乗る者から連絡が入る。駅から連絡があったことを確認し、取りに行くということを伝える。

 10分後、再び兄を名乗る人物が、バッグの中を確認したら、取引先に渡す小切手だけが抜き取られている、と伝える。そして、1日だけ100万円くらい貸してほしいと頼んできた。

 5分後、再び兄を名乗り、200万円の用意を依頼してきた。

 10分後、また兄を名乗り、会議で抜け出せなくなったので、会社の後輩が取りに行かせるので、その人物に渡すよう依頼される。また、会社には内緒だから、お金を入れた封筒を「書類です」といって渡すように依頼してきた。

 そして、実際に待ち合わせた人物に200万円を渡したのだという。

 最後に繰り返すが、竹内氏の母は過去に2度の振り込め詐欺を見破った人物である。それでも被害に遭うほど、現在の手口が巧妙化しているということなのだ。それだけは、本当に知っておいた方が良い。

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