いつの間にか「詐欺師天国」になっていた日本

証券会社の買収から海外逃亡まで

 世界のあらゆる金融商品が暴落した、リーマンショックで随分と損を出した人も多いことだろう。昨今の詐欺事件はここが一つのきっかけになっているという。損をした顧客の取る行動は証券会社から離れ、証券会社の経営が悪化していくことだ。たとえば、第二種金融商品取引業者などは身売りをするところが現れた。

 「安いもので2000万円台から3、4000万円くらいのものが大体多いみたいです」と業界関係者。

 そこで半グレが参入し、さらには歌舞伎町のホストの中にも参入してくるものもいたという。「登録申請して許可を得るよりも、資格を持つ企業を買収する方が早かったわけです」と前出の関係者。


慶応大生が使っていたショールーム
 もちろん、ここではすべてが犯罪集団と言うつもりは毛頭ない。ただ、金融庁から行政処分を受けたり、民事訴訟になったりする業者も出た。それでも、これらは行政の監視の目が届くだけまだマシと言うべきだろう。実際には、投資家は何もできない場合もある。それは事件化する前に海外に逃亡されてしまうことだ。

 「いまや、シンガポールの日本人は詐欺師だらけとも言われています」(同)

 慶応義塾大学の学生が、数億円~20億円の資金を集めて、海外に逃亡という案件もあった。このケースは、民事訴訟を起こした投資家の一人が勝訴したが、強制執行でわずか1500円足らずのお金しか戻ってこなかった。

 詐欺事件は立件が難しいため、警察も迂闊には捜査を開始しない。証拠を固められる前に海外逃亡するというのは一つのトレンドだ。

 大多数の善意の中に、必ず少数の邪悪がはびこる。もう、詐欺師を甘く見てはいけない。

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