今年、東京・築地の中央卸売市場で、青森県大間産マグロ1本に1億5540万円という史上最高値の取引が成立した。取り次ぎ会社や漁協への手数料約1割を除いた分が漁師に入る。つまり、約1億4000万円が漁師のものとなるが、県の長者番付ではベスト10に入る可能性が出てきた。
価格の9割が漁師に
銀座などにすしチェーンを展開する会社と、香港資本のすしチェーンとの争いとなった今年のマグロの初競り。昨年の大間産マグロには5649万円という史上最高額が付けられたものの、今年はさらに両者による競り合いが激しくなるとも目されていた。
昨年の約3倍という常軌を逸すると思われる価格まで高騰したが、縁起もの、大間マグロというブランドへの評価、高品質という要素を除けば、漁師の命がけの漁に対する正当な報酬とも言えなくはない。
この漁師の男性は大間市の3代目漁師(36)。漁を行ってから市場に流通するまでには、取り次ぎ会社、漁協の存在が欠かせないが、これらへの手数料約1割を支払えば、残りの約9割は漁師の取り分となる。
その額1億4000万円は青森県の長者番付でベスト10に入る可能性があるのだ。国税庁の長者番付の公表は2004年分で終了している。ただ、この漁師は県で7位~10位に入る可能性があるのだ。