米ハーバライフの株式をめぐって、トップヘッジファンドマネージャー2人が激しく火花を散らす事態になっている。昨年末にパーシングスクエアのビル・アックマン氏が「売り」を仕掛ければ、今年に入ってサードポイントのダニエル・ローブ氏の「買い」で8.24%保有していることが明らかになった。共通項も多いが、生まれが西海岸と東海岸、サーファーとハーバード大を優秀な成績で卒業と対照的な面もあり、そのビッグネーム2人が売り方、買い方に分かれての激突の行方は見ものだ。
ともに裕福なユダヤ人家庭に生を受ける
ビル・アックマン氏
同社の経営を「ピラミッドスキーム」として批判、加盟店への販売奨励金などについて疑問の声をあげた。
株価が高すぎると判断したものは、果敢に売りを仕掛けるタイプでもある。ハーバライフの株価は、この発表で約3割も下げた。
一方で、先日、その逆を仕掛けてきた投資家がいた。それが、サードポイントのダニエル・ローブ氏だった。
米証券取引委員会(SEC)に提出した13Kファイルによると、890万株、8.24%を保有していることがわかった。同社のキャッシュフローと、1株あたりの資産が株価に比して安いというのだ。アックマン氏と同じくアクティビストでもあり、今年はヤフーのCEOを学歴詐称で解任に追い込むなどの戦果をあげている。
この2人、対照的な面と同時に共通項も多い。1961年12月に弁護士を父の持つ西海岸のユダヤ人家庭に、ローブ氏は生まれた。バービー人形で知られるマテル社の創業者の一人であるルース・ハンドラー氏はおばにあたる家系だ。
その5年後、66年5月にNYの裕福なユダヤ人家庭にアックマン氏は生を受けた。それぞれ違う人生を歩んだ2人が同じ企業の株式で、いま、交わることになった。