日本の株式市場に台風を呼んだ「村上ファンド」。一連の騒動から約6年がすぎ、SBIホールディングス、アコーディアゴルフと大株主に名前を連ねており、今年の株主総会シーズンの決戦に注目が集まり始めている。しかし、かつての右腕から謀反を起こされ、実は前門の虎に後門の狼と厳しい状態だ。しかも、村上氏側には50億円以上の支払い義務があるという主張も…。
帰ってきた村上氏だが…
レノの本社が入るビル(中央)
レノ設立にあたっては4人で株式を持ち合い、株式を整理する際には村上氏の会社が買い取ることを覚書として交わしたのだった。レノの代表者だったA氏が事業を離れるにあたって、村上氏に買い取りを要求したが拒否されたとして、村上氏を相手取り、株式買い取り代金約1億1391万円を求め東京地裁に提訴していたことがわかった。対する村上氏は「A氏がレノの経営に協力せず、敵対的な行動に出た」などとして真っ向から争う姿勢を示している。
市場関係者によると、当の村上氏はシンガポール居住ながら、時々帰国することもあるという。NPO法人の代表に収まっていた時期もあるが引退したわけではなかったようだ。不動産の案件を手掛けながら機を見ていたのか、あるいは「みそぎ」が終わったと見たか、株式市場に帰ってきた。
レノはかつて不動産デベロッパーのジョイントコーポレーション株式99%を保有(現在はPEなど投資会社に売却済み)。この内乱は、ジョイントのスポンサーになった前後に端を発するようだ。