厚生労働省は29日、家電メーカーなどが社内にリストラ部門の社員を集めて設置した「追い出し部屋」について行った調査結果を発表した。会社名は公表しないものの、一部には退職の強要にあたるのではないか、とされる企業も見つかった。
同省によると、これは報道されている大手家電メーカーなどを対象にして実態調査として行われたもので、厚労省職員が報道で名前が挙がった会社に対して聞き取り調査を行った。
「追い出し部屋」設置の目的としては、業務量が激減したために、そのような組織を接しして、ほか業務に従事させていた、という回答や、新たな業務に従事させるための研修を行うための組織として設置した、という例もあった。
また、人事部門の中に、社外への出向先を拡大するために、出向先開拓業務の専任担当者を配置してえる企業もあった。
賃金は従前と変わらない企業もあれば、職種が変わることで減少するところもあるという。窓や空調のない部屋に詰め込んで外部との接触を禁じるという事例はなかった。
退職勧奨については威圧的な事例はないものの、一部に労働組合から強要にあたるとの申し入れがあったとする企業もあった。他にも、都道府県の労働局に解決のための援助を求めた事例もあった。