関西電力の電気料金値上げに関する公聴会(経済産業省主催)で、電気料金の「原価」のいいかげんさが浮き彫りになってきた。有力OBや役人に提供する一時的ポストとなってきた関電顧問の費用が原価に盛り込まれ、一人当たり年平均1000万円も支給されていることが、1月28日の公聴会で明らかになったからだ。関電顧問たちは財界活動にもかかわっているため、顧問料の原価参入が見直されれば、関西財界は影響を受けるかもしれない。
顧問の経費が原価に反映
関西電力本社
顧問には、秋山喜久元会長、小林庄一郎元会長など大物OBが名を連ねている。また、役所の天下りを顧問として迎え、一定期間経てから関電の正式役員にすることも恒常化している。そんないわくつきのポストに、一人平均1000万円が支払われ、それが原価に盛り込まれていた。
公聴会で関電の岩根茂樹副社長は、「経営全般で会社を代表して活動してもらっている」と顧問料を支払う理由を説明したが、真に受ける人はいない。関西の財界事情を知る関係者は、関電顧問は財界活動の人材であることを知っており、その費用が原価参入されていると聞き、「複雑な思いになった」(素材メーカー)と明かす。