東電が福島第一原発事故の調査にあたった国会事故調査委員会の委員に虚偽の説明をしていた件で、東電の廣瀬直己社長が12日の衆院予算委員会に参考人として出席し「(説明者が)建屋の中は最初から暗いという思い込みのもとで決めつけて説明している。上司に説明せずにやった」と証言した。辻元清美委員(民主党)の質問にこたえたもの。
問題は、国会の事故調査委員会が、福島第一原発1号機建屋内の調査を行おうと、昨年の2月に東電に調査協力を依頼。しかし、担当部長は真っ暗のために中に入ることは無理という旨の説明をしていた。
だが、実際には作業員が作業できるように照明設備、空調設備も入っていたといい、虚偽の説明となった。2011年10月に建屋カバー装着、同月中に照明も設置していた。
廣瀬氏は「上司に説明せずにやったもの」と答弁。
辻本氏が「建屋の中に入れるのは、高度な判断がいるのではないか。企画部部長が一人で思い込みで間違えたという話ではないのではないか」とさらに追及。
この件に関して、廣瀬氏は外部の専門家を入れるなどして調査を行う計画を明らかにした。
虚偽説明をした社員は企画部長で、平成元年に入社し、過去には福島第一原発勤務、また、柏崎・刈羽原発の技術部長も歴任した原子力の専門家でもある。原子炉の計器周りの担当だという。
(衆議院TVインターネット審議中継より)