宙に浮いた60億円の花瓶 その結末

 ブランド品、ワインに骨董、芸術作品、はたまた伝書鳩…不動産投資の抑制政策が続く中国では、溢れ出した富豪マネーがこうした品々に向かっている。時に、信じられないような高値を投資するなど、中国富豪の大胆な行動は世界中の人々を驚かせてきた。その中には、あの世界最高額の「ツボ」も含まれている。

当時は過去最高額の63億円


当時63億円の値がついた壺
 18世紀、中国乾隆帝時代に作られたという陶器製の花瓶も多くの話題を集めた品の一つ。2010年11月にオークションに出品され、予想落札価格の80万ポンド〜120万(約1億5000万円ほど)ポンドを大きく上回る4300ポンド(約63億円)で売却された。

 この落札価格は中国の美術品としては過去最高。「保存状態も完璧で、他に例をみない皇帝ゆかりの美術品」と前評判は良かったものの、過去最高額での落札は、関係者を驚かせた。

 ところがこの花瓶、つい最近まで宙に浮いた状態だったのだという。花瓶を落札したのは、中国の不動産大富豪、大連万達集団の王健林(おう けんりん)氏だったが、氏は約束の期間内に一円もお金を出さなかったというのだ。

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